血液および尿中の修飾核酸測定によるCOVID-19診断および重症度判定技術の開発

富澤 一仁

◆ 症例（患者）登録、検体採取、臨床評価項目取得：
熊本大学大学院生命科学研究部 腎臓内科学 教授 向山 政志
熊本大学病院 腎臓内科 講師 安達 政隆
熊本大学大学院生命科学研究部 腎臓内科学 助教 柿添 豊
熊本大学大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学 教授 松岡 雅雄
熊本大学大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学 准教授 安永 純一朗
熊本大学病院 感染免疫診療部 講師 中田 浩智
地方独立行政法人くまもと県北病院 呼吸器内科 副院長 溝部 孝則
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 救急診療部 救急
診療科主任部長 藤見 聡
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 感染症内科主任部長
永井 崇之
独立行政法人地域医療機能推進機構熊本総合病院、外科、副院長、堀野 敬
桜十字病院 病院長 倉津 純一
桜十字病院 呼吸器内科 青木 志保
関西医科大学総合医療センター 救急医学科 診療部長 中森 靖
◆ 修飾核酸解析：熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座 特任助教 中條 岳志
◆ 事務局、症例（健常者）登録、修飾核酸解析業務補助：
熊本大学病院 総合臨床研究部 研究シーズ探索センター 特任助教 榊田 光倫
熊本大学病院 腎臓内科 医員/熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座 永芳 友
熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座 永田 裕子
◆ 個人情報管理担当
熊本大学病院 総合臨床研究部 研究シーズ探索センター 特任助教 榊田 光倫
地方独立行政法人くまもと県北病院 呼吸器内科 副院長 溝部 孝則
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 救急診療部 救急
診療科主任部長 藤見 聡
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 感染症内科主任部長
永井 崇之
独立行政法人地域医療機能推進機構 熊本総合病院 副院長 堀野 敬
桜十字病院 呼吸器内科 青木 志保
関西医科大学総合医療センター 救急医学科 診療部長 中森 靖

2019 年12 月に発生し世界中で拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は日本国内でも多くの感染者・死者を出しています。現在のCOVID-19 の検査方法は鼻の奥の粘液(咽頭ぬぐい液) や唾液を用いており、採取する際に苦痛が生じる、検査時にエアロゾルがかかるリスクがある等様々な問題が指摘されています。
今回我々が開発した技術では、血液や尿の修飾核酸と呼ばれる物質を測定することでCOVID-19 患者様にのみ上昇する物質を同定しました。今回はその物質がCOVID-19 患者様の重症度と関連があるか、また治療の効き具合を反映するかを確認することが主な目的です。

この研究では、解析するための試料（サンプル）として血液サンプルと尿サンプルを集めます。2020 年7 月28 日から2021 年2 月1 日までの期間にCOVD-19 の診断で熊本総合病院において入院治療を受けた際に、採取した血液・尿の残余検体を治療させていただく予定です。
血液・尿サンプルは−80℃の冷凍庫で保管した後、除タンパクおよび脱塩処理を施し、高速液体クロマトグラフィー質量分析計で修飾核酸を一斉解析します。解析にかかる時間は約30 分です。
加えて、以下の情報を診療録から参照し、測定結果との関連を評価します。
① 臨床所見（年齢、性別、身長、体重、病歴に関する情報）
② 血液検査・尿検査の結果（血算、肝腎機能検査、炎症反応等）

③ 治療内容（治療開始時期、投与薬剤、投与量、投与期間）
④ 治療反応性・予後
以上の結果からCOVID-19 の診断に有用な新規診断マーカー核酸を同定します。本研究の成果は、学会発表や論文で公表する予定です。また本研究はヘルシンキ宣言と人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に基づいて実施します。

この研究では試料（サンプル）として、約5mL の血液・尿サンプルを利用させていただきます。試料は原則としてこの研究のために使用し、研究成果の最終報告から少なくとも5 年間保管いたします。保管期間が終了した場合またはあなた・ご家族など（代理人）が保管の中止を希望された場合には、研究用の番号を消去した後、医療廃棄物として規則に従い適切に廃棄します。
併せて、この研究では情報（データ）として、診療録から得た臨床所見・検査結果・治療内容・治療反応性/予後等に関する情報を使用させていただきます。情報は原則としてこの研究のためだけに使用し、研究成果の最終報告から少なくとも10 年間保管いたします。
保管期間が終了した場合またはあなた・ご家族など（代理人）が保管の中止を希望された場合には、保存データを消去した上でコンピューターのハードディスクを物理的に破壊し、最終的に産業廃棄物として適切に廃棄します。

あなたの血液・尿サンプルや解析結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、あなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。この研究ではあなたと研究用の番号とを結びつける対応表を作成しますが、その対応表のファイルにはパスワードを設定し、鍵付きの保管スペースで厳重に管理いたします。

また、この研究成果を学会や論文にて公表する場合、あるいは特許等を申請する場合には、あなたが特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、個人情報管理担当により厳重な管理を行います。
また、この研究では、あなたの血液・尿サンプルや解析結果、情報を共同研究機関において共有させていただきますが、その際の個人情報は研究用の番号のみを利用させていただきます。

この研究に参加してくださった方々に関する個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、どうぞお申し出ください。この研究により得られた解析結果については、開示を希望された場合に限り、あなたに対してのみ結果を開示いたします。
また、研究の進行状況やその成果、学術的な意義についても、説明を希望された場合に限り、他の方に関する個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内で説明させていただきます。
なお、この研究を実施することで、あなたの健康に関する情報またはあなたのご家族に関する遺伝情報が得られる可能性については、今の時点では想定しておりません。
また、この研究では、学会等への発表や学術論文への投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

臨床研究を実施するにあたり、研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨床研究の結果公表が公正に行われていないのではないか（企業に有利な結果しか公表されないのではないか）などといった疑問が生じることがあります。これを利益相反（患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反している状態）と呼びます。
この研究では、国から交付された研究費を使用し、特定の企業からの資金提供を受けておりませんので、特定の企業の利益を優先させて、あなたの治療方針を変えたり、研究の公正さを損ねたりすることはありません。
この研究の実施にあたり、研究責任者および研究分担者は、当院の利益相反審査委員会に必要事項を申告し、審査の上、承認を得ております。したがって、この研究における利益相反の状態は、あなたに何ら危険を及ぼすものではありません。

この臨床研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思によりお決め下さい。たとえこの研究への参加を同意されなかった場合でも、不利益を被ることはなく、これまで通り、最善の治療を行います。

この研究に関してご質問や相談などがある場合には、下記担当者までご連絡下さい。
【連絡窓口】
1）所属：熊本大学病院 腎臓内科
担当者：永芳 友
連絡先：
電話番号：096-373-5164
メールアドレス：y.nagayoshi@me.com
2）所属：熊本大学大学院生命科学研究部 分子生理学講座
担当者：富澤 一仁
連絡先：
電話番号：096-373-5050
メールアドレス：tomikt@kumamoto-u.ac.jp