熊本大学大学院生命科学研究部 

3-脳神経疾患患者群

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臨床研究に関する情報の公開

本学では、医学系研究に協力して下さる方々(以下研究対象者)の利益と安全を守り、安心して研究に参加していただくように心がけております。こちらに記載されている研究については、研究・診療等により収集・保存された既存試料・情報を用いる研究で、直接研究対象者からインフォームド・コンセントを取得することが困難であるため、情報公開をさせていただいております。
こちらの文書は研究対象者の皆様に、情報公開をするとともに、可能な限り研究参加を拒否または同意撤回の機会を保障する為のものになります。
なお、研究参加を拒否または同意撤回されても一切の不利益はないことを明記させていただきます。

研究課題名 tRNA修飾異常を起因とする疾患を迅速かつ正確に診断可能な新規ミトコンドリア病診断システムの検証を目的とした臨床研究
研究責任者 熊本大学大学院生命科学研究部 分子生理学講座 教授

富澤 一仁

研究分担者  

◆ 症例登録、検体採取、臨床評価項目取得:
久留米大学高次脳疾患研究所 客員教授 古賀 靖敏
熊本大学病院総合臨床研究部研究シーズ探索センター 特任助教 榊田 光倫
◆ 修飾核酸解析、ミトコンドリア病(タウリン修飾異常)診断システム検証:
熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座 特任助教 中條 岳志
東北大学加齢医学研究所モドミクス医学分野 教授 魏 范研
島津製作所 統括部長 向 紀雄
株式会社アイスティサイエンス 代表取締役 佐々野 僚一
◆ 事務局:
熊本大学病院総合臨床研究部研究シーズ探索センター 特任助教 榊田 光倫

研究の目的・意義  

ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの機能不全により、全身臓器に種々の症状を呈する病気の総称であり、様々な病型が存在します。稀少疾患であり、治療適応薬の無い遺伝性進行性の難治性疾患です。ミトコンドリア病は遺伝的に、また臨床的に非常に多様性に富む疾患であり、その診断は非常に困難です。従来、ミトコンドリア病の診断には、臨床症状、家族歴、脳画像解析、(運動負荷中の)血液・髄液中の乳酸・ピルビン酸比、筋生検などを行い、最終的には遺伝子検査を実施しています。これらの検査は患者さんに多大な負担をかけることもあり、発症メカニズムに則し、非侵襲的で、発症早期からの診断が可能な、高精度のミトコンドリア病診断システムの開発が期待されています。
ミトコンドリア病における種々の病型の中で、小児期に発作性の頭痛、嘔吐、半身けいれんを発症する病型が、MELAS(mitochondrial myopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes)とMELA(mitochondrial encephalomyopathy, lactic acidosis)です。 ミトコンドリア病の中で最も頻度が高い代表的な病型であり、ミトコンドリア病の80%の患者さんでミトコンドリアDNA の変異(tRNALeu(UUR)遺伝子のA3243G 変異)が報告されています。MELAS/MELAに見られるミトコンドリアDNAの変異は、遺伝子上に規定されていないタウリン修飾の異常を伴うことが報告されました。また、タウリン修飾の欠乏により遺伝子上に規定されていないチオメチル化修飾が低下することも明らかになりました。これらの異常は、ミトコンドリア病のMELAS/MELA の病態に影響することが予想されますが、今まではこれらの修飾を確実に測定することができませんでした。最近、私たちの研究グループでは、採取した尿を質量分析法により解析することにより、タウリン修飾とチオメチル化修飾を高感度に測定できるシステムを構築しました。
私たちは、このシステムの有用性を検証することを目的として、ミトコンドリア病患者さんとコントロール(健常な方、他の脳神経疾患の患者さん)を対象とした臨床研究を、熊本大学と久留米大学との共同で実施しました。その結果、タウリン修飾とチオメチル化修飾の修飾核酸を測定することにより、ミトコンドリア病(MELAS/MELA)の診断において従来の診断マーカーより優れていることがわかりました。
さらに私たちは、解析作業をより迅速にかつ効率的に実施することを目的とした、新しいミトコンドリア病診断システムを開発しました。採取した尿の前処理・質量分析装置・診断ソフトウェアを融合させた全自動システムとなっています。私たちはこのシステムを製品化することを目指していますが、そのためにはこのシステムの性能を検証することが必要です。
そこでこの研究では、ミトコンドリア病の中でMELAS/MELA と診断された患者さんと健常な方およびミトコンドリア病以外の神経疾患を持つ患者さんを対象として、新しいミトコンドリア病診断システムを用いて尿中の修飾核酸を解析し、その性能を検証することを、主な目的とします。

研究の方法  

以前の臨床研究(熊本大学 研究番号倫理1756号「尿中修飾核酸の解析によるミトコンドリア病診断の有用性に関する検証」)において、(ミトコンドリア病以外の)の中で脳神経疾患患者さんの中で研究の内容を説明し同意を得た方を、この研究での対象者とし、熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座内に保管している尿サンプルを使用させていただきます。
尿サンプルは、この研究の解析機関である、①熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座、②東北大学加齢医学研究所モドミクス分野に集められます。このとき、輸送する場合には、この研究専用のコード番号でラベリング(匿名化)した状態で、凍結検体として輸送されます。
解析機関においては、解析作業を実施する際に、検体を溶解した後、(上図の通り)前処理・質量分析装置・診断ソフトウェアを融合させた全自動システムである「ミトコンドリア病(タウリン修飾異常)診断システム」により、尿中の修飾核酸を解析します。
併せて、この研究では、あなたに関する情報として、年齢・性別・登録いただいた脳疾患疾患名を取得させていただきます。
得られた結果について、得られた診療情報とあわせて検討し、このミトコンドリア病(タウリン修飾異常)診断システムの性能について検証いたします。

研究期間 この研究を実施する期間は、研究機関の長より承認いただいた日(西暦 年 月 日)から西暦2024年3月31日までを予定しています。
試料・情報の取得期間 西暦2019 年7 月11 日から西暦2020 年11 月30 日までに取得した試料・情報を対象とします。
研究に利用する試料・情報  

この研究では試料(サンプル)として、約5mLの尿サンプルを利用させていただきます。
試料は原則としてこの研究のために使用し、研究成果の最終報告から少なくとも5年間保管いたします。保管期間が終了した場合またはあなた・ご家族など(代理人)が保管の中止を希望された場合には、研究用の番号を消去した後、医療廃棄物として規則に従い適切に廃棄します。
併せて、この研究では情報(データ)として、年齢・性別・登録いただいた脳疾患疾患名を使用させていただきます。情報は原則としてこの研究のためだけに使用し、研究成果の最終報告から少なくとも10年間保管いたします。保管期間が終了した場合またはあなた・ご家族など(代理人)が保管の中止を希望された場合には、保存データを消去した上でコンピューターのハードディスクを物理的に破壊し、最終的に産業廃棄物として適切に廃棄します。

個人情報の取扱い  

あなたの尿サンプルや解析結果、カルテの情報をこの研究に使用する際には、あなたのお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。この研究ではあなたと研究用の番号とを結びつける対応表を作成しますが、その対応表のファイルにはパスワードを設定し、熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンは、熊本大学大学院生命科学研究部分子生理学講座が所有している鍵付きの保管スペースで厳重に管理いたします。
また、この研究成果を学会や論文にて公表する場合、あるいは特許等を申請する場合には、あなたが特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、熊本大学病院総合臨床研究部研究シーズ探索センター・特任助教・榊田 光倫の責任の下、厳重な管理を行います。
また、この研究では、あなたの尿サンプルや解析結果、情報を共同研究機関において共有させていただきますが、その際の個人情報は研究用の番号のみを利用させていただきます。

研究成果に関する情報の開示・報告・閲覧の方法  

この研究に参加してくださった方々に関する個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、どうぞお申し出ください。
この研究により得られた解析結果については、開示を希望された場合に限り、あなたに対してのみ結果を開示いたします。
また、研究の進行状況やその成果、学術的な意義についても、説明を希望された場合に限り、他の方に関する個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内で説明させていただきます。
なお、この研究を実施することで、あなたの健康に関する情報またはあなたのご家族に関する遺伝情報が得られる可能性については、今の時点では想定しておりません。
また、この研究では、学会等への発表や学術論文への投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

利益相反について  

臨床研究を実施するにあたり、研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨床研究の結果公表が公正に行われていないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これを利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反している状態)と呼びます。
この研究では、国から交付された研究費を使用し、特定の企業からの資金提供を受けておりませんので、特定の企業の利益を優先させて、あなたの治療方針を変えたり、研究の公正さを損ねたりすることはありません。
この研究の実施にあたり、研究責任者および研究分担者は、当院の利益相反審査委員会に必要事項を申告し、審査の上、承認を得ております。したがって、この研究における利益相反の状態は、あなたに何ら危険を及ぼすものではありません。

本研究参加へのお断りの申し出について  

この臨床研究に参加するかどうかは、あなたの自由意思によりお決め下さい。たとえこの研究への参加を同意されなかった場合でも、不利益を被ることはなく、これまで通り、最善の治療を行います。

本研究に関する問い合わせ  

本研究に関する問い合わせ
この研究に関してご質問や相談などがある場合には、下記担当者までご連絡下さい。
【連絡窓口】
担当者:榊田 光倫(さかきだ こうりん)
所属:熊本大学病院 総合臨床研究部 研究シーズ探索センター
連絡先:
電話番号:096-373-5575(平日の9時から17時まで対応可)
メールアドレス:korin@kumamoto-u.ac.jp(24時間対応可)

 

分子生理学分野へのお問い合わせ TEL 096-373-5050 9:00〜17:00

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