皆様方におかれましては、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
志賀 潔名誉教授の後を継ぎまして平成20年6月1日付けで、分子生理学の教授を拝命致しました富澤一仁です。伝統と実績のある熊本大学医学部に赴任しまして、その責務の大きさに身が引き締まる思いであります。熊本大学の発展に貢献できるよう教育・研究に真摯に取り組んでいきたいと思います。
pic003私はこれまで岡山大学医学部・細胞生理学(松井秀樹教授)におきまして研究・教育に取り組んで参りました。岡山大学では、神経生理、細胞・分子生理の研究に従事しておりました。具体的には、「サイクリン依存性キナーゼ5の生理機能の解明」、「蛋白質導入法の開発と応用研究」、「オキシトシンの新たな生理機能の解明」などの研究を行ってきました(詳細につきましては、本ホームページの研究内容をご覧下さい。)このように多岐にわたる研究を実施してこられたのも、教室内に大勢のポスドク、大学院生、学部学生がいて、明るく活発にそして精力的に研究を実施してくれたお陰であります。基礎研究の推進は、教授や准教授の力ではなくこのような若い人たちの努力、突拍子でもないアイデアが重要であると思います。熊本大学分子生理学では、大学院生、研究に興味のある学部学生を募集しております。私どもの研究に興味をもたれた方は、是非ご一報下さい。皆様と明るく楽しく研究ができることを心よりお待ちしております。
生理学の神髄は、複雑、複合的かつ巧妙な生体の機能を複雑なまま解析することであると思います。生体の複雑さ故、現象は捉えられてもメカニズムまで解明することが困難であることが多々あります(ほとんどかもしれません)。そこで近年は分子生物学、分子細胞学のような分子機能を追求することによって生体・生物を明らかにするという手法が生理学でも用いられてきました。それが分子生理学であります。しかし、生体の機能を知るためには最終的に個体で複合的に解析することが必要であります。このような混沌とした「命の理(ことわり)」を追求する生理学は、一人で成しえることではありません。多くの英知、他分野の方のアイデア・協力が必要であります。当教室では、多くの方と共同研究を実施し、「命の理」を明らかにすることを望んでおります。もし我々の研究が皆様の研究に役立つようなことがありましたら、ご連絡いただきたく存じます。
熊本から世界に羽ばたく若手研究者の育成ならびに世界から注目されるような研究を発信していく所存であります。皆様におかれましては、よろしくご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。